あの日の、いつかの、考えごと。

どうおもってもいいけれど、わたしがどうおもってもゆるしてね。

好きの温度も大きさも人によって違うって私は思う。

どうもどうも、わたしは夏月という平凡な毎日を送るヲタクOLです。

 

歳を重ねていくにつれて、考えてしまう過去のことってあると思う。

その時は気にしないように頭から追い出したりして……。

でもそれが今の自分の思考回路というか、行動ひとつひとつ……そういうものにノイズを混じらせているような……。それをちょっと落ち着いて吐き出してみたくて私はこうして文章を書いてみることにしたのです。

 

日々生まれていった一種のトラウマに近い感覚をもしかしたら小さくできるもかもしれないし。

 

今回の話題はこれ。

 

人が好いているものを「あ、それ私も好きだよ!」とカミングアウトすることに躊躇してしまう話。

 

逆は全然平気なのに。「私もそれ好き!」と言われるのはとても嬉しくてすぐに同志よ~!とか思ってしまうタイプ。だって仲間が増えるのは嬉しいことじゃないか?すぐ嬉しい~~!ってなってヲタク丸出しの早口トークをしてしまう。(あ、これ気持ち悪いやつ。はっきりわかるわ。)

 

そういう結論が頭にあるのにどうして自分から行くときは躊躇ってしまうんだろう?

自分でも「なんでやねん!」と思わずツッコミを入れたくなるけど実際そうなんだから不思議。

 

深く考えてみるとこれに関しては原因ははっきりしている。

別に誰も悪くない。悪気はなかった。そんなことを私は一種のトラウマにしてしまっているからなのだ。

 

この感覚の土台は私の姉の存在だ。

 

前提として私が幼少よりアニメやゲーム・声優が大好きな人間であるということを告白しておく。

小学校に上がるころにはそこそこ年上の姉が大好きであった声優の名前を理解し、声で判別することができた。なかなかにヤバイ小学生だなと思う。ヲタク界のサラブレッドとでも呼んで欲しい。

 

姉がくれる情報のおかげで姉が好きな漫画やアニメを私も好んでいて、私のヲタクとしてのルーツは姉によって形成されたものであるといっても過言ではない。

でも、私と姉は歳を重ねるにつれどんどん仲が悪くなっていった。性格が根本から違ったのだ。まさに正反対とよく言われていた。

 

そんな姉は私と同じものを好きになるのを特に嫌がった。

最初姉が好きで見ていたアニメをもちろん私も視聴して、私も好きになると見るのをやめたり、アニメ雑誌のページをそこだけ捨てたり……。あんなに好きだったのになんで急に興味なくしちゃったんだろう?って私は本当にわからなかった。

この時は私も姉のことが嫌いになっていて、「くそくらえェ!!」くらいにしか思っていなかった。

でもどこか悲しかったんだよなと今は思う。

 

この感覚を持ったまま、私は中学生になった。

部活で、そこそこ仲の良かった友人がいた。この子をAちゃんとしよう。

私はこの子とはヲタク趣味で仲良くなって家に遊びにいったりするようになった。

 

当時はFLASH動画がものすごく流行っていて……(アッ、年齢がバレそう。)

私も毎日ネットサーフィンをしては面白い動画を探していた。

そんな中当時大流行していた某バンド(バンドBとする)の曲モチーフにした動画にたどり着いた。率直に言って、とても私は感動した。曲にものすごいストーリーがあって、きちんとまとまっていて、1曲の中に漫画のような物語があることに感動したのだ。 

その後彼らの曲をチェックしたりしている中Aちゃんが彼らの大ファンであるということを知ることになる。

 

その日もいつもとおんなじように趣味の話をしてケラケラ笑っていたりした。

すると、彼らのCDを彼女の部屋で目にしたのだ。私はAちゃんも好きなんだ!嬉しいな!と思ってすぐに「私も彼らのこと好きなんだ!こないだ「○○」っていう曲を聴いたのがキッカケでさ~…」と話を切り出した。するとAちゃんの瞳が本当にガラリと変わったのを覚えている。

 

「え?その曲が好きってだけでバンドBのこと好きって言ってんの?」

 

あんまり冷たい目だったので私は正直びっくりしてすぐに言葉が出なかった。

自分が仲がいいと思っていた人にこんなに急に冷たい視線を向けられることってあるんだ……。本当にびっくりした。

 

なんか私失礼なこと言ったかな?と思って「あ、他の曲も聴いたよ××とか▽とか….…。」と好きな曲のタイトルをいくつか出した。

その後Aちゃんは失笑~~って感じの短い笑いのあと「○×○○って曲知ってる?」と私に問いかけてきて「知らない、どんな曲?」って返したらもっと怖い顔をした。

 

そして「その程度でバンドBのことを好きとか言うな!!!」と言った。

 

そのあとAちゃんはずっと機嫌が悪くなってしまって、仲の良い友達と遊んだはずなのにすごく疲れて帰ったことを覚えている。

他の友人と数人で集まったときもバンドBの話をしていた私に「その程度の好きで話すのやめなよ。」とか「○×○○も知らないのに好きとか、、ねぇ。」と言ったりしていたので相当嫌なんだな……と私はショックを受けた。

 

何故か一番仲の良い子がリア充タイプで(本当に謎)ヲタク話があんまりできなくなっていた私にできた大切なヲタク友達だったので、私はAちゃんのことが大好きだった。その分この出来事はものすごくショックだった。

別にその後Aちゃんと全く遊ばなくなったわけではないのだけれど、私はバンドBに近づくことをやめてしまった。私なんかが好きになって良いものじゃなかったんだな……あ~、姉もこんな感じだったんだな……という風に思ってしまった。

 

この一連の出来事が誰かと一緒のものを「好きだ!」と言うことに抵抗がある原因かな。実にありがちで、子供だから気にしていたことだなぁと今は思う。それでもなんだか心にしこりとして残ってしまっているのだから、私は頭の切り替えができないダメな奴感が満載だね。

「気にしなきゃいーじゃん」っていう声がたくさん聞こえるよ~~ありがとう~~わかってはいるんだ~でもなんかモヤるから今文章として吐き出してるわけだから許して~~!!

 

うーん。

Aちゃんは本当にバンドBのことが大好きだった。いっぱい知識もあって毎日曲を聴いて「真剣に」そのバンドが好きだったんだと思う。好きの温度がものすごーーく高かったんだと思う。

私が口に出した曲はそのバンドの中でもものっすごい有名なものだったし、シングルからアルバムまで全て追っていた彼女から見たら、大して勉強もしていないのに「不真面目だ」と思ってしまったんだと思う。自分が真剣に向き合っているものに対して他の人が不真面目に取り組んでいたらそりゃあ誰だって嫌だろうねえ、とも思う。

 

でも、私はそれでも納得ができない。

あの日のAちゃんのその瞳に、振る舞いにあんなにショックを受けたのに大人になった今Aちゃんに「それは違う。」と言いたいんだ。

 

なのに自信がないんだ。

 

だからモヤモヤしてしまうし、「好き」を公言して誰かと共有することに怖いと感じてしまうんだ。

 

 

でも私は思うんだ。まだ誰にもはっきりいえないけれど思うんだ。

 

好きの温度は人それぞれで、はじまりはものすごく小さなろうそくの火みたいなものかもしれなくて。

でもそれが触れるたびに、ふれるたびにどんどん大きくなっていくかもしれないんだよって。

好きとかいうな!なんて、育てようとしてるその人のテリトリーのなかの灯りを勝手に消していってるだけなんだよ。そんな権利、君にはないよね?って。

 

当時Aちゃんにこんなこと言ったら、きっともんのすごーーく怒って次の日から私を無視すると思う。笑

今はもうAちゃんと会うこともないんだけど、お互い大人になったから今ならそんなことはないのかな?

 

言った本人はそんなこと忘れてるだろうな~ってことが案外大人になってからその人の心を傷つけているものだからもし今この文章を見てくれたコがいるなら、少しだけこのことを心に留めてほしいかな。

大人も、もちろん気をつけないとダメだぞ~~!!?

ダメな古参がコンテンツを腐らせるんだからな~~!!?

私ももちろん、気をつけていこうと思うよ!!

 

私は子供の頃、いじられキャラみたいので結構なんでも言われても気にしないふりしてきたタイプだから大人になってばかみたいな小さなことがトラウマになっちゃってつまんないことばっかり考えちゃってる。

少しずつ、誰も知っている人がいないこの場所でつらつら吐き出していけたらいいな。

 

文章もっと上手になるといいんだけど。まぁやってみないとわからないか。